ダイワ米国リート・αクワトロ 分配金引き下げ
こんにちは! Nです。
今回は、昨年末に取り上げた大和投資信託の「米国リート・αクワトロ」で、分配金引き下げの発表が出ていましたので、そのお話を。
分配金引き下げのお知らせ
米国リート・αクワトロ 分配金のお知らせ →PDF
毎月の分配金について、200円から140円への引き下げです。
同投信は、昨年こちらの記事で取り上げました。
当時の検証では、分配金余力は100円程度と見ていましたので、やはりこれまでの200円の分配金は無理があったようですね。。
基準価格の変動要因について
お知らせには、基準価格の変動要因について説明されていましたので、詳しく見てみましょう。3ページ目ですね。
設定来でみると、実質的な運用実績(米ドル建てリートETF要因+リートオプション要因+通貨要因+通貨ヘッジプレミアム要因+通貨オプション要因+運用管理費用要因等)は1,179円(約11.8%増加)となりましたが、分配金の要因(ファンドからの資金流出)がマイナス5,800円だったことから、結果としてマイナス4,621円となりました。
要因別の設定来の変動数値はこちら。
あれ? 基準価格のマイナス4,621円の内、マイナス5,800円は分配金要因??
この説明、ほぼ元本を取り崩して分配金を払っていると言っているに等しい気がします。。
5,800円の分配金の支払いの内、運用で得た利益は1,179円ですので、その他は元本を取り崩して支払っているということです。。
どのくらいの分配金が妥当なのか
本来、分配型投信の分配金は、運用期間の利益に応じた金額を分配金として支払うべきだと思いますし、多くの個人投資家はそれを望んでいるのではないでしょうか。
今回の運用状況をみると、設定来の運用で得た利益は1,179円ですから、その間の29回の分配金について、利益からの支払い可能額は1,179円÷29回で約40円です。
直近1年間の実績でみても、その間の運用益は566円で、1ヶ月に支払える分配金は47円ですね。
また前回の検証時には、分配金余力は100円程度と想定していましたが、実際には為替変動による影響なのかオプション取引ではそこまでの利益を稼げていないようです。。
今後の分配金の見通しは?
はい。上記みた上で、改めて変更後の分配金140円というのはいかがでしょうか。
どう見てもまだ高いですね。。
分配金の決定方針について
分配金額の決定については、「よくあるご質問」にも説明がありました。「分配金のお知らせ」の4ページ目です。
Q3 140円分配はどのように決定したのですか?また、140円分配はいつまで続けられる見通しですか?
A3 分配金は、収益分配方針に基づいて決定します。毎決算時に分配を行えるように配慮していますが、将来の分配金について、あらかじめ一定の期間や金額をお約束することはできません。
分配金は、「収益分配方針」に基づいているとのことですが、その「収益分配方針」の説明はこうです。
当ファンドの収益分配方針において「原則として、毎決算時に分配を行うことを目標に、基準価格の水準を勘案して分配金額を決定します。」
「毎決算時に分配を行うことを目標」に決定しているそうです。。特に投資信託の収益に応じて支払いをしている訳ではなかったんですね。。
また、「毎決算時に分配を行うこと」が目標なので、特に金額も決まっていないようです。
しばらくは140円の支払いを続けると思いますが、段階的な引き下げをすることになりそうです。。
投資信託の仕組み上の懸念点も・・
また、以前にもご紹介しました通り、同投信のカバードコール戦略は、値下がりが発生した場合、その値下がり額を取り戻すことが容易ではない仕組みとなっています。
段階的な基準価格の下落は避けられそうもなく、既に保有されている方は見直しを検討した方が良さそうです。。
まとめ
✔ 米国リート・αクワトロも分配金引き下げ
✔ 今後、更に分配金を引き下げる可能性もありそう
✔ 分配金額は「毎決算時に分配を行うことを目標」に決定している