もう「メガ」じゃない
こんにちは! Nです。
今回は先月に続いて、メガバンクのリストラのついて関連記事がありましたのでその話題を。
ちなみに前回の記事はこちら。
銀行のリテール営業
日経新聞 12月4~8日付 「もう「メガ」じゃない」 →該当記事
記事によると、みずほフィナンシャルグループが設定した1.9万人の削減では、削減数が足りないという厳しい見方があるようです。
また銀行を退職した方の事例として、6日にはこんな記事も出ていました。
関東の地銀に勤めていた加藤久美子(仮名、31)は入行8年目の昨年、退職した。地元出身で周囲もうらやむ就職先。
そうなんです。少なくとも我々より上の世代では「銀行」への就職というと、周囲は安心、場合によっては羨望の的になる就職先だったと思います。
それが実際に働き始めてみると、、
総合職として自由な発想で仕事ができる。こう考えたが現実は違った。住宅ローンを担当したが「目標への執着度合いが高すぎて顧客対応がおかしくなっていった」。
はい。会社や支店の状況にもよるかもしれませんが、金融機関の担当者は、顧客の要望に応えることよりも、自分の目標数字の達成を優先した行動を取らざるを得ない状況が多々あります。
個人的に、久美子(仮名)さんの気持ちが分かりすぎてしまいました。。
直近の業績について
また、8日の記事ではこんな指摘もありました。
みずほフィナンシャルグループの部門別決算が厳しさを物語る。中核であるはずのリテール・事業法人カンパニーの業務純益が4~9月期、81億円の赤字に沈んだからだ。
やはり「リテール・事業法人カンパニー」が厳しいんですね。単純にマイナス金利の影響ということでは大企業のカンパニーの方が影響が大きいように感じますが、そうではないのでしょうか。
改めて、みずほフィナンシャルグループのIR資料を見てみたいと思います。
みずほフィナンシャルグループは、2016年度の新中期経営計画よりカンパニー制を導入しており、銀行、信託銀行、証券会社を横断して、対象となる顧客セグメント毎に5つのカンパニーを設けています。
先程の久美子(仮名)さんの事例は、個人向けの住宅ローンの営業なので「リテール・事業法人カンパニー」に属します。
5カンパニーのそれぞれの業績はこんな感じです。
「リテール・事業法人カンパニー」だけ赤字です。。「業務粗利益」の額は他のカンパニーに比べても遜色ないのですが、「経費」の額が3倍くらい違います。
直近、2017年度中間期でも「リテール・事業法人カンパニー」の赤字は解消されておらず、他のカンパニーはマイナス金利の影響を受けて利益額が減少しています。
こうなると、採算効率が最も低い「リテール・事業法人カンパニー」のテコ入れ、すなわちリストラをせざるを得ないという判断も致し方ないですね。。
2015年度以前は事業の区分が異なるので、業績の単純比較はできなかったのですが、以前から人員のスリム化は課題としてあがっており、今年の金融庁からの金融商品販売に関する指摘がきっかけになったということではなかったようです。
過去の採用実績についても時系列で確認できる資料は見つからず、採用の増減に関してはリテール事業の強化というよりは団塊世代の退職などに合わせた増減の範囲だったかもしれません。
ここはちょっと私の見方が偏っていたかもしれません。。失礼しました。
投資信託の販売状況について
ただ、金融商品(投資信託)の販売に関してはこんなデータもありました。
2016年度の実績が上下に分かれて分かりにくいのですが、年度別で見るとはっきりと減少傾向です。特に銀行2行の年度別の数字(濃い青のグラフ)をみると1兆→6,400億→4,300億と減少幅も少なくありません。
カンパニー制導入のタイミングでは、投資運用商品残高の10兆円の拡大をKPIとしており、投資信託の販売はリテール事業における重要指標の一つのはずです。
また2014~2016年度の間は株価も右肩上がりで、投資信託を販売する上では良好な環境だったと思いますが、何があったのでしょうか。
こちらの実態は気になるところです。
まとめ
✔ メガバンクの業績は人員削減しても、まだ厳しいかもしれいない
✔ リテール事業の採算効率が特に悪い
✔ いつのまにか「ギガマック」ってあったんですね