分配型投資信託って、よく勧められるけどなに?

分配型投資信託ってなに?

こんにちは! Nです。

今回は成長株の話とはズレますが、せっかくなので証券会社にいたときの取扱い商品のお話を。

悪名高い分配型投資信託(以下、分配型投信)のお話です。

証券会社でよく勧められる分配型投信

夢の配当金生活を目指したいと思いつつも、何から手をつけていいか分からず、銀行や証券会社に相談に行かれる方もいらっしゃると思います。

そうではなくても定期預金、国債の切り替えの時などに一緒に勧められるかもしれません。

その時に銀行預金よりも金利の良い運用が期待できる商品として、まず勧められる商品が分配型投信です。

私も良く販売してました。

証券会社側の人間からすると預金が見えているお客さんに対して、この分配型投信の販売をするのは割りと簡単です。。

分配型投信って?

そもそも分配型投信ってなんでしょう。

主に債券、REIT(たまに株式)に投資している投資信託で、各投資商品の金利、配当金などに応じて毎月の分配金の支払いがある投資信託です。

もちろん運用成果に応じて基準価格は変わるのですが、毎月“決まった金額”が分配金として払われますので、お金が増えていっているような安心感があります。


有名な分配型投信としては、古くは「グローバル・ソブリン・オープン」などでしょうか。(※「グロソブ」なんて呼ばれてました。古すぎるか。。)

グローバル・ソブリンは、各先進国の債券に投資しており、債券の金利収入等に応じた分配金の支払いをしています。

また、投資先は格付けの高い(シングルA)以上の債券のみに投資する為、デフォルトのリスクは小さく、投資信託の中でも比較的安心して投資ができます。

分配金は毎月○○円 or 年間で投資額の○○%程度入って来ますし、銀行の金利がつかないところに置いておくよりは良いのではないでしょうか。

どうでしょう??

決して悪い商品ばかりということはないと思いますが、正しく商品を理解して購入している人は少ないと思います。

分配型投信の何が悪いの??

分配型投信の悪い点としては様々ありますが、主には下記でしょうか。

1. 実際の配当利回りが分かりにくい。

2.分配金が払い出されてしまう為、運用効率が悪い。

3.思ったよりも手数料が高い。

個別に見ていきましょう。

1.実際の配当利回りが分かりにくい。

一般的な証券会社では、こんな説明をされます。

「基準価格10,000円に対して、毎月45円の配当金なので、年間540円、年5.4%の分配金が受け取れます。預金のままにしておくよりもお得ですね。」

ここまでのお話で、勘の良い方ならこんなことに気付くはずです。

「540円の分配金を受け取っても、1年後の基準価格は10,000円ではなく、下がっている場合もありますよね?」

はい。正解です!

ただ、それに対してはこんな回答が返ってきます。

「1年後、万が一基準価格が下がって、9,000円になってしまったら、2、3年はおいておいて下さい。年540円ですから、2年で1,080円、3年なら1,620円の分配金を受け取れます。長期で持っておけば、分配金で値下がり分も補うことができるんですよ。」

「そんなに、すぐ使う資金でもないとのことでしたので、万が一値下がりしてしまった場合は、長期で保有することも含めて考えてみて下さい。」

こう説明されて、なんとなく分かった気になって、あなたは判子を押します。

分かりましたでしょうか。。?

問題点

問題は、分配金を “受取れます” ということなのです。
分配金は別に利益でもなんでもなく、証券会社(正しくは投資信託の運用会社)が勝手に決めた金額なのです。

ですから、分配金を支払えば、 “その分だけ” 基準価格が下がります。

上記のケースの説明では、分配金に対して利回りの計算をし始めて、さも利益であるかのような錯覚を起こさせています。

じゃあ、分配型投信の利益って何なの?

はい。こちらは見方があるのですが、スペースの関係で次回に続きます。

まとめ

✔ 分配型投信は分配金を金利と錯覚して、買付けのハードルを低く感じてしまう

✔ 投資信託の分配金と金利は別物

✔ 次回に続く

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