分配型投資信託ってなに?(3)

分配型投資信託ってなに?(3)

こんにちは! Nです。

すみません。分配型投信の仕組みの話だけで3回目になっちゃいました。。
今日も元気にいきます。

前回に続いて、分配型投信のデメリット3点目の話です。

3.思ったよりも手数料が高い。

投資信託の手数料は基本的に3点かかります。

(1) 購入時手数料
(2) 運用管理費用(信託報酬)
(3) 信託財産留保額

(1)は、文字通り投資信託の買付け時の手数料。証券会社を通して買うと一般的に買付金額の1~3%程度の手数料が掛かります。

(2)は、運用中の年間の管理費用。こちらは1~2%程度/年

(3)は、売却金額の0.1~0.5%程度、投資信託に残さなくてはなりません。
※投資信託は基本的に長期で運用することを目的としており、急な現金化が増えると運用しにくくなるリスクがありますので、解約に対するペナルティを設けています。ただ、こちらは運用会社が得るのではなく、投資信託を保有し続けている人たちに還元されます。

購入時の説明

投資信託の購入にあたっては、証券会社側もルールがあるのできちんと説明してくれます。

(1)は、支払代金にも直結しますので、お客さんも注意深く聞きます。

(2)は、商品販売のルール上、さらっと説明されますがあまり意識されません。

(3)は、(1)、(2)に比べ料率も少ないですし、これから購入しようとする商品の売却のときの話など聞いちゃいません。

運用管理費用(信託報酬)が運用の足を引っ張っている

今回、分配金に関してポイントになるのは、特に(2)の「運用管理費用(信託報酬)」(以下信託報酬)です。

前回も上げたグローバル・ソブリンにおいては、投資信託の利益である債券の金利収入1.42%を得ていますが、その一方で、信託報酬が1.35%(税込)の管理費用が発生しているのです。

基準価格をベースに考えると、基準価格約5,000円に対する年間の金利収入71円を得ている一方で67円の信託報酬が費用として発生しています。

すると、差し引きとして残る利益は年間で4円。月間に割り戻すと0.3円です。

毎月の分配金10円と比べると・・・。

投資金額はほぼそのまま払い戻している状態に近いですね。

過去の分配金

ちなみに、私の記憶している限りグローバル・ソブリンは60円の配当を出している時期もありました。

もちろんその時の債券の金利収入はもう少し高かったと思いますが、上記、計算式に照らした分配金との差額は、更に大きなマイナスになっていました。。

つまり、ほとんど元金を戻している状態ということです。。

分配型投信の評価指標

長くなりましたが、分配型投信の分配金の支払状況を評価する指標として、下記計算式を参考にして頂きたいと思います。

利益として分配金を拠出する分配型投信の評価指標

投資商品の金利収入 - 信託報酬 - 分配金 > 0

なお、グローバル・ソブリンの名誉の為に申し上げておきますと、為替の円安への変動、債券発行体の信用力の向上や金利低下に伴う債券価格の上昇など、これまでの多くの利益の積み上げにより、今までの分配金の払い出しができているのだと思います。

ただ、それを恒常的に利益が発生しているように分配金として支払いしていく仕組みは、投資家に対して親切な設計の商品ではないように感じます。

「通常分配金」と「特別分配金」

また、よくある分配金の解説では「通常分配金」と「特別分配金」の話が出てきますが、これは特定の個人が買付けしたタイミングを基準とした利益の評価であって、投資信託自体の収益性(利回り)の評価とは別の話と考えています。

分配型投信自体の収益性(利回り)の評価としては、上記の指標を活用頂きたいと思います。

「通常分配金」と「特別分配金」については、またどこかで書くかもしれません。

まとめ

✔ 運用期間中の信託報酬は意外と高い

✔ 「投資商品の金利収入 - 信託報酬」が分配金の源泉であるべき

✔ グロソブの運用担当者も頑張っている

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