フィデリティ２投信 分配金引き下げ
こんにちは！ Ｎです。
今日は、直近取り上げていましたフィデリティの２投信「フィデリティ・ＵＳリート・ファンドＢ」、「フィデリティ･ＵＳハイ･イールド･ファンド」について、追加の情報がありましたのでお知らせです。
２投信の分配金に関するお知らせ
｢フィデリティ・ＵＳリート・ファンドＢ(為替ヘッジなし）」分配金に関するお知らせ
→PDF
｢フィデリティ･ＵＳハイ･イールド･ファンド」分配金に関するお知らせ
→PDF
２投信共に分配金の引き下げとなります。「フィデリティ・ＵＳリート」は70円から35円、「フィデリティ･ＵＳハイ･イールド」は50円から30円への引き下げです。
「フィデリティ・ＵＳリート」は先々週、「フィデリティ･ＵＳハイ･イールド」も先週のお知らせでしたね。キャッチアップができておらず失礼しました。。
今回の変更については、さすがに現在の環境下で今までの分配金を出し続けるのは難しいという判断をしたのだと思います。「お知らせ」の内容は、特に変更の理由も示されておらず、簡素なものでしたが。。
分配金引き下げ後の支払い状況（フィデリティ・ＵＳリート）
では、改めて分配金引き下げ後の分配金の支払い状況を確認したいと思います。
「フィデリティ・ＵＳリート」の直近の基準価格は、4,009円(2017年11月24日現在)。
「投資商品の金利収入」 4,009円×3.66％＝147円(※11月月次運用レポート参照)
「信託報酬」 4,009円×1.512％＝61円
「分配金」 35円×12ヶ月＝420円
投資商品の金利収入 信託報酬 分配金
147円 － 61円 － 420円 ＝ -334円
正直、まだまだ無理をして分配金を出している水準かな、というのが率直な感想です。。
米国REIT自体の価格上昇が望めれば良いのですが、フィデリティ発行の市場レポートでもそこまで前向きな見通しは出ていません。。
フィデリティ投信株式会社 米国リート市場 マンスリー・ウォッチ →PDF
※１ページ目に「今後の見通し」の記載があります。
分配金は下がりましたが、取り崩しの額が少なくなっただけで、運用状況は大きく変わっていないように思います。
どうすればベター？
もし無理をしない範囲で分配金の設定ができるのであれば、思い切って5～7円までへ引き下げて、米国REITの更なる価格上昇に期待し基準価格の回復を図るというのも選択肢のひとつではないでしょうか。
ただ、そんなに大きな引き下げを行うと、これまでの保有者の解約が止まらなくなる可能性がありますから、運用会社の立場としてはそういった選択はできないのだと思います。。
「フィデリティ･ＵＳハイ･イールド」の支払い状況
「フィデリティ･ＵＳハイ･イールド」の方はどうでしょうか。
「フィデリティ･ＵＳハイ･イールド」の直近の基準価格は、3,688円(2017年11月24日現在)。
「投資商品の金利収入」 3,688円×7.1％＝262円(※11月月次運用レポート参照)
「信託報酬」 3,688円×1.7064％＝63円
「分配金」 30円×12ヶ月＝360円
投資商品の金利収入 信託報酬 分配金
262円 － 63円 － 360円 ＝ -161円
こちらは大きく緩和されています。まだマイナスですが。。
保有者の中には運用の成果に関わらず、一定の分配金を受け取りたいという方もいると思いますので(年金生活の方など)、まあ、そこまで思い切った変更は難しいですよね。
ただ「ＵＳハイ･イールド･ファンド」に関しては、前回書きました通り債券自体の信用リスクが高い商品になりますので、これを機会に見直しても良いかもしれません。。
その他の米国REIT投信を保有している方へ
その他の米国REIT投信を保有している方、例えば「新光 US-REITオープン(ゼウス)」など。今回、保有投信の分配金が下がらなくて良かったと思っている方もいると思いますが、そうではありません。
以前書きました通り、その他の米国REIT投信も分配金支払いの為に元本を取り崩している投資信託が複数ありますので、遅かれ早かれ同様の分配金引き下げが行われると思います。
特に、「新光 US-REITオープン(ゼウス)」は「フィデリティ・ＵＳリート」を競合投信としてみていると思いますので、近いうちに同様の変更が行われるのではないでしょうか。
他の米国REIT投信のお持ちの方も、一度、運用状況をご確認下さい。
まとめ
✔ フィデリティの２投信がついに分配金引き下げ
✔ 分配金引き下げ後も元本取り崩しの状況は続いていそう
✔ 分配金の設定はお客さんの引き止めが目的になっているのでは？
