人気投信解説-米国REIT投信(2)
こんにちは! Nです。
前回に続いて、投資信託業界で人気の米国REIT(リート)投信のお話です。
今回は、早速、人気2投信の「運用報告書」を見ていきましょう。
フィデリティ・USリート・ファンドBの運用状況
まずは、「フィデリティ・USリート」から。
フィデリティ・USリート 月次運用レポート →PDF
同投信の実質配当利回りは、2ページ目の右上の方。3.62%です。
REITの場合は保有しているのが不動産なので、「実質配当利回り」は不動産の家賃収入の利回りと考えて下さい。以前、取り上げた「グローバル・ソブリン」の債券の金利収入の部分です。
一方の信託報酬は、7ページ目の下3分の1くらい。1.512%ですね。
これを「分配型投信の評価指標」に当てはめてみましょう。
以前ご説明したこちらです。
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投資商品の金利収入 - 信託報酬 - 分配金 > 0
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直近の基準価格約4,000円に対して、それぞれ年率換算で当てはめると、
「投資商品の金利収入」 4,000円×3.62%=145円
「信託報酬」 4,000円×1.512%=60円
「分配金」 70円×12ヶ月=840円
投資商品の金利収入 信託報酬 分配金
145円 - 60円 - 840円 = -755円
年間で755円は、不動産の家賃収入以外から捻出しているということですね。月に直すと、毎月の分配金70円に対して、63円分です。。
もう少し言い方を変えると、毎月の分配金70円の内、REITの家賃収入で得られている利益は7円のみということです。
あとの63円はどこから来ているのでしょうか。。
もう1つの「新光 US-REITオープン(ゼウス)」はどうでしょうか。
新光 US-REITオープン(ゼウス)の運用状況
新光 US-REITオープン(ゼウス) マンスリーレポート →PDF
2ページ目の上の方。「構成銘柄配当利回り」は3.67%です。「構成銘柄配当利回り」は表現が難しいですが、先程の実質配当利回りと同じです。
一方の信託報酬は、8ページ目の下3分の位置くらい。1.6524%ですね。
これを「分配型投信の評価指標」に当てはめると、直近の基準価格約3,000円に対して、
「投資商品の金利収入」 3,000円×3.67%=110円
「信託報酬」 3,000円×1.6524%=50円
「分配金」 50円×12ヶ月=600円
投資商品の金利収入 信託報酬 分配金
110円 - 50円 - 600円 = -540円
こちらも年間で540円は、不動産の家賃収入以外から捻出しているということですね。月に直すと、毎月の分配金50円に対して45円分です。。
分配金50円の内、REITの家賃収入で得られている利益はわずか5円です。。
残りの45円はどうなっているのか。。
次回予告
次回は、上記分配金の不足原資について、もう少し説明します。
まとめ
✔ フィデリティ・USリートの毎月の家賃収入の利益は7円
✔ 新光 US-REITオープンの毎月の家賃収入の利益は5円
✔ どちらも実際に受取っている分配金との差額が大きい