人気投信解説-米国リート・αクワトロ(2)

人気投信解説-米国リート・αクワトロ(2)

こんにちは! Nです。

今回の投資信託も結局3回くらいかかりそうです。。

「米国リート・αクワトロ」の収益を得るための手法、3つ目からです。

(3)米国リート・カバードコール戦略(取引額の50%程度)

前回の最後に書いた通り、米国リート・カバードコール戦略は「米国REITの買いに加えて、取引額の50%分のコールオプションを売って、オプション料を取りに行く戦略」です。

えっと、、まず「コールオプション」からいきましょうか。

コールオプション

一言でいうと「買う権利」です。

これから株価が上がりそう、でも下がる可能性を考えてリスクを少なくしたいと考える場合、株を買う権利(=コールオプション)を買うことができます。


例えば、日経平均が20,000円の時、日経平均を20,000円で買う権利が500円で売られているとします。

この買う権利を500円で買った後、日経平均が20,000円のままだった場合。単純に支払った500円の権利は消滅します。

予想通り株価が上昇し22,000円になった場合は、20,000円で買う権利を行使します。その場合、差額の2,000円から権利取得の為に支払った500円を差し引いた1,500円が利益になります。

予想に反して株価が下落して18,000円になった場合、20,000円の買う権利は使わなければ良いので、普通に株を買った場合に被ったであろう-2,000円の損失はなく、買う権利の価格500円の損失のみですみます。


つまり、株価の上昇を予想してるけど、現物の株を買うほどのリスクを取れないときの選択肢になります。

この時の「買う権利」が「コールオプション」、「買う権利の金額」が「オプション料(オプションプレミアム)」になります。

コールオプションの損益の状況をグラフに表すと下記になります。

コールオプションの売り

さらにここでは先程の「コールオプション(買う権利)」を売ります。

権利を売るといってもイメージがつきづらいかもしれませんが、先程の権利を買いたい人に対してそれを引き受ける側の立場になり、損益状況は先程のグラフと反転します。

株価が下がった場合は「権利の金額(オプション料)」が利益となり、上がった場合はオプション料の受取はあるものの、値上がり分の損失が発生します。

期待できる利益額に対して、損失の絶対額が大きくなる可能性がありますが、株価が上がらない間はそれに応じたオプション料を受取ることができます。

カバードコール戦略

ようやく「カバードコール戦略」にたどり着きました。

「カバードコール戦略」は、現物の買いに加えて、先程のコールオプションの売りを行い、下記損益状況を作ることになります。

値下がりのリスクはあるものの、値下がりしない間のオプション料を受け取ることができるのです。


いやー、この「オプション取引」、最初に考えた人はすごいですね。誰か欧米の方が考えたんだと思いますが、日本の証券会社でもずっとカタカナのまま使い続けている訳ですし。

確かに、変に日本語に変えて、「買う権利を売って同時に現物を買えば、売る権利の売りと同じになる「買いと買う権利の売り戦略」だ」と言われても、わけ分からないですよね。


話がそれました。

本投信では、取引額の50%分のカバードコール戦略を取っており、通常の米国REITの保有に加えて、取引額の50%分のオプション料の獲得を狙っています。

つまり、米国REITの値上がり益を半分放棄することで、その分のオプション料を得ています。

(4)為替取引・カバードコール戦略(取引額の50%程度)

はい。ここからはもう簡単です。

先程の(3)は米国REITに対しての戦略でしたが、今回は為替取引、本投信の場合、ブラジルレアルの買いに対して、その取引額の半分のカバードコール戦略を取っています。

改めてカバードコール戦略の損益のグラフを載せておきます。


円/レアルの為替相場に対して、レアルの上昇による為替差益と引き換えにオプション料を享受していることになります。

まとめ

✔ オプション取引を考えた人はすごい! けど、中身は複雑

✔ カバードコール戦略は、オプション料を得る代わりに値上り益を放棄している

✔ 「買う権利の売りと売る権利の売り戦略」なんてのもあります

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